床矯正は欠かせない
真剣で生産的な議論の妨げになっている通貨についての様々な迷信にがんじがらめにされている状態から、今すぐにでも脱却することが、アメリカ国民の利益になるのだ。
表面的な事象だけに目を向けて経済的苦境と不安定さに対する回答を得ようとしても、満足な回答を得られず、失望するだけだ。
たった一回だけでもよいから、私たちは、根本にかかわる疑問を提示する必要がある。
それが時流に合った意見と合う、合わないは関係ない。
ここの目的は、いくつかの重要な概念を紹介すること、そして、通貨に関わる事業から政府を締め出すというアイデアを正しく評価させないようにしている神話を覆すことである。
を望むとは限らない。
また、新聞販売員は、南北戦争について誰かが教えてくれたからといって、新聞を無料であげたりはしない。
この物々交換というシステムは、人々の要求を満たさないものとなった。
上に挙げた理由以外にも、釣り合いの問題があり、人々の要求に合わなくなる。
例えば、ある人が邸宅しか所有していない場合、パンを一斤買うにはどうしたらよいだった。
通貨経済では、物々交換とは異なり、財やサービスは間接的に交換されることになる。
帽子を欲しがっているバスケットボールの持ち主とバスケットボールを欲しがっている帽子の持ち主を、時間を無駄にしながら探すのではなく、バスケットボールの持ち主は、金や銀など通貨の機能を果たすものと、バスケットボールを交換する。
そして、手に入れた金や銀を欲しいと思っていた帽子と交換する。
これが通貨の始まりである。
物々交換という、有効には機能しないシステムに不満を抱いた人類は次のように考えるようになった。
今所有している財やサービスよりも、他の人々がもっと欲しがる(市場で取引されやすい)財を手に入れることができたら、それらとの交換を望む人々を見つけやすくなる、と。
歴史的に見ていくと、この目的のために、人々が欲しがる財が、木の実から、貝殻や金となっていったことが分かる。
そして、人々が欲しがる財が交換の媒介として機能し始めると、その財自体は欲しくはないが、媒介の価値としてとにかく欲しがるようになる。
それは人々が、それら媒介財と財やサービスを交換したがるということを認識したからである。
多くの人間は、貴金属を直接使用して何かを作るということはしないが、それを欲しがる。
なぜなら、その貴金属と財を交換できると知っているからだ。
こうしたプロセスを経て、金や銀、その他通貨として流通するものが交換の媒介、つまり通貨として発達してきたのである。
従って、通貨は、市場における便利な産物として自然発生的に生まれたのである。
通貨は政府の命令によって生み出されるものではない。
それでは、誰がこれまで経験したこともない通貨というものを考え出したのだろうか?経済学者のロパート・マーフィーは次のように書いている。
「たった一人の天才のみが、それまでに見たことはなくても、通貨とその成功の可能性を見通すことができたのだろう。
そして、その天才が通貨について周りの人々に説明しようとしても、何を言っているのか理解されなかっただろう。
それは次のような調子であっただろう。
お前の持っている豚を馬と直接交換する代わりに、このきれいな石に交換してみないか?お前がこんなもの要らないと思うのは分かる。
だけど心配するな。
馬を持っている人が喜んできれいな石と馬を交換してくれるからいいか、みんな。
みんながこのきれいな石を価値があるものとして認めてくれたら、俺たちはもっと豊かになれるぞ」市場における通貨はこのようにして流通し始めたはずだ。
それは人間が、その価値が何であると決めそれは簡単に言うと、法定不換紙幣は、既存の物品貨幣に常に寄生しているようなもので、物品貨幣がなければ法定不換紙幣は生まれなかった。
通常言われている紙幣誕生のプロセスは以下の通りだ。
ご社会は物品通貨を流通させる。
銀行や政府が紙の証書を発行する。
これは決められた重さの物品貨幣と交換できる。
そるかを知ったときにしか成立しないからだ。
通貨が成立する過程で、その他の財やサービスが通貨でどれくらいの値かということを通貨自体が狸得していく。
人々は、通貨と財やサービスの物々交換という形で通貨を使用していった。
どこからともなく発生した通貨を人々に使用するように強制しても、人々にはその価値が分からず、流通しない。
従って、紙幣もまた、政府の命令で生み出されたものではない。
紙幣は、社会がはるか昔から自然発生的に使用してきた通貨とリンクしているのだ。
アメリカ独立戦争やフランス革命時に発行された悪名高い紙幣でさえ、最初は、既存の物品貨幣によって裏付けされたものであったが、その後、その価値を失っていった。
人々には、物品との交換が不可能な法定不換紙幣だけが残った。
物品貨幣は交換の媒介である。
しかも物品貨幣は金や銀のような商品でありながら、金や銀などの所有権を表すものである。
紙幣は、物品貨幣の流通しているシステムの中で使用される。
そして、紙幣は物品と交換することができる。
紙そのものは通貨ではない。
紙は通貨の便利な代替物にすぎず、通貨とは金、銀、その他の物品のことなのである。
法定不換紙幣は交換の媒介である。
法定不換紙幣は物品でも、生産財でも、消費財でもない。
そうした物品の所有権を表すものでもない。
法定不換紙幣は金と交換できない。
これが現在の通貨システムである。
法定不換紙幣が既存の物品貨幣の代替物になる状況は、政府の介入と人々の所有権の侵害によって生み出される。
この過程には常に政府による暴力の脅威が含まれ、自発的に行なわれることはない。
アメリカ政府がアメリカ国民に金貨を政府に引き渡すように命令した一九十五年以降、ドル紙幣は金と交換できるということで流通した。
物品貨幣によって財やサービスの価格が決められていたので、ドル紙幣が通貨として流通できたのだ。
歴史を振り返ってみると、多くの社会が金や銀を貨幣として使用してきた。
政府は貨幣流通の一翼を担うことを望んだ。
そして、国王やその他の支配者たちは、コインに自分たちの肖像を刻み、通貨発行の独占を図った。
国民は、支配者たちが持つ権力に通貨発行が含まれると理解するようになった。
通貨は公共財であるという理論的根拠があるにもかかわらず、政府が通貨発行を独占するのは、支配者がコインを削ったり、通貨の品位を落としたりして、人々から富を奪うためだ。
金や銀で作られたコインに他の金属を混ぜ、減らした分の金や銀を政府の懐に入れてしまうのである。
道徳主義者、神学者、その他の知識人たちは、政府が通貨発行を独占するのを非難した。
一四世紀、宗教者であり科学者であったCは「起源、自然、法、通貨の変更」を著した。
その中でオレームはインフレーションを分析し、インフレーションを経済問題として結論付け、政府の通貨発行の独占を、道徳と経済的観点から厳しく批判した。
Fは『通貨の変容』という衝撃的な著書を著し、政府による発行の独占を「通貨の堕落」とし、それは窃盗の一種だと非難した。
こうした異議申し立ては支配者たちに直接行なわれたのではなく、「通貨の品位を落とすことが経済成長を促す。
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